2013水無月の句: いしひと雑記

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2013年7月12日 (金)

2013水無月の句

うかうかしていると、熱中症になりそうな暑さが続きいています。
観測以来初の連続した暑さというような見出しが躍る日々が続き、さて昔（数10年前）はこんなに暑くはなかったのか？でも冷房はなかったけどなあなどと思っています。

今月の駄句は

　魚の尾てふ氷河懸るや蒼天に

　竹落ち葉吹き寄せられて音もなし

2013年7月12日 (金) | 固定リンク

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私の書棚

池波正太郎: 新装版雲ながれゆく (文春文庫)
読んだのは電子書籍版。主人公の歌は、亭主病死後も嫁ぎ先の菓子屋の中心として忙しくしていたが実家に戻り身の振り方を考えよ打ちしていたが、跡を継いだ義弟がだらしなく、番頭が店に戻ってくれるように頼みに来る。実家は、病気がちな兄が料亭を継いでいたが、歌が戻ってきた手伝ってくれることを望んでいる。そんな時に、歌は雨宿りに入った小屋に後から来た浪人に不思議な仕方で犯されてしまう。しかし、歌は浪人に恋心を抱いてしまう。さて、実家を懇意に使ってくれる侍から、若い侍をかくまってくれと頼まれ、その若い侍は仇討ちをすべく国本から出てきた。。。書き出すときりがありませんが、歌という女性を中心に展開する話は面白くついつい読みふけってしまいました。
熊谷榧: スキーをはけば怖くない (1981年)
とても楽しい本だ。熊谷榧さんは、1929年生まれ本書執筆当時は52歳。現在は豊島区立熊谷守一美術館の館長としてお元気とのこと。さて、私事だが、本書に出て来る尾瀬の山スキーは恐らく1，2年の違いで、20代後半の私も友人と行ったことがある。もっともその時は本書の紀行と同じく天気が悪く、一日停滞して至仏山だけ登った。同じようなことを、52歳の熊谷さんが悪天候中も行動してスケッチをして紀行文を書いていたなんて恐れ入りました。本書は、以前買って積読だったものを読みだしたら止まりませんでした。
上田晃司: 写真がもっと上手くなるデジタル一眼撮影Q&A事典101
色々な撮影シーンで、カメラの設定をどうすればうまく写すことができるかを丁寧に説明しています。ノウハウ本として役立ちます。
藤沢周平: 花のあと (文春文庫)
しばらく前に、この短編集のほとんどは読んでいたが最後の2編を読み残しており、今回最後の2編を読むと合わせて全編を読み直した。読み直しても面白く。特に広重をモデルにした作が面白い。
吉田修一: 熱帯魚 (文春文庫)
体調不良で、ゴロゴロしながら図書館の電子書籍で借りた。表題作、ガールフレンドと親の再婚・離婚で2年だけ兄弟だった元弟と一緒に暮らすの主人公。大工見習から一人前の仕事を任されるようになる矢先に、建築中の家の家主の中学生の娘に手を出し、建築中の家が小火となり…という自分勝手さと対比して、主人公のガールフレンドは強い。他の二編も、どんどん読めてしまうが読後感が今一つ晴れやかでない。吉田修一さんは、長編を読んだ方が楽しい。
池澤夏樹: 骨は珊瑚、眼は真珠 (文春文庫)
読んだのは、1995年刊の単行本ですが、カバーの絵は同じ。表題作は、亡くなった夫の骨を砕いてすりつぶし沖縄に散骨に行く話。今では、黙認されているようだし業者の広告もある散骨だが、本短編(初出1990年12月)当時は、刑法190条が適用されて、黙認はされていなかったことがわかる。私は家の寺に墓があるが、でも、ちょっとそれも良いかなと思います。どの短編も、瑞々しさがあります。
森見登美彦: 森見登美彦の京都ぐるぐる案内 (新潮文庫)
森見登美彦さんの小説から、京都市内の有名(無名)の場所を選んで、観光案内のように仕立てた本に、書下ろしのエッセイを加えて一書となした。京都には、何回か行ったことがあるが仕事のついでが多く、どこをどう見ようという計画は余りなかったが、もし次回があれば本書を手にしていきたいと思いました。本書中行ったことがあるのは、鴨川デルタ、京都大学(一部)、京都市美術館(改修中で中に入れず)、四条大橋、叡山電車(乗りました)、八坂神社、南座(外観のみ)だけだな。
春日みかげ, 深井涼介, みやま零: 天と地と姫と 1　上杉謙信龍の誕生織田信奈の野望全国版織田信奈の野望全国版　天と地と姫と (富士見ファンタジア文庫)
図書館の閉館で、電子図書を借りる機会が多くなり図書館に行って棚を選んで何を借りようかという時には目に入らないような図書が、例えば新着リストや、キャンペーンリスト上位にあると、何だろうと思い、試し読みをしたくなる。本書は、結構面白かった。奇想天外だが、恐らく私がやったことのないゲームの世界ではありそうな世界で、戦国武将が若い女子(姫武将)が数多おり、上杉謙信がどのように成ったかをテーマとしている。そういえば、大昔に上杉謙信女性説を唱えていた人(八切止夫さんでした）がいたなあと思いだした。評価はしません。
木村泰司: 人騒がせな名画たち
絵画というとどうやって観るかという見方が重視されるが、本書は見方を一歩進んで読み方に言及したり、あるいは画家の心情に触れたりしながら、古今の西洋画について解説している。例えば玉葱は媚薬の意味があったとか、割れた水差しは貞操のなさを表しているとか、踊り子は紳士がガールフレンドとして品定めをしていたとか色々知らないことが書かれていて楽しい。そう、今ではすべて芸術として扱われているが、書かれた時にはスキャンダルの下でしかなかった絵画も知られているが、本書の絵画には多様なエピソードが隠されていて面白い。
田口ランディ: ドリームタイム
田口ランディという名前は、どこかで見た気がするが著作に触れたのは初めてだ。これは、エッセイというのか小説というのか、読み終わってやはり小説なんだなと思った。私小説というジャンルがあるが、つまりそれですね。限りなく著者に近いところに題材をとり、あるいは自分をモデルにして小説を書く。面白いのは、読み易い文体と、読んでいるのに何だか誰かの話を聞いているような感覚におちいることですね。どんな人なんだろうと調べたら、剽窃問題があったりして面白いです。

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